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「ビジネスケアラー」問題とは

「ビジネスケアラー」問題とは
  1. 仕事と介護を両立する「ビジネスケアラー」は2025年で307万人、2030年で318万人
  2. 介護離職者は毎年約10~11万人
介護と仕事の両立支援に関する厚生労働省の統計グラフ(令和5年度 全国介護保険・高齢者保健福祉担当課長会議資料より)
出典:厚生労働省「令和5年度 全国介護保険・高齢者保健福祉担当課長会議 資料」

「ビジネスケアラー」問題

「ビジネスケアラー」問題

「ビジネスケアラー」とは、仕事をしながら家族の介護も行う人のことです。介護と仕事の両立は困難なため、企業が支援をすることで、従業員の生産性低下や離職を防ぎ、経済損失を抑えることが重要です。

【1】 「ビジネスケアラー」の状況と問題点
  1. 日本は超高齢社会であり、仕事と介護の両立を強いられるビジネスケアラーの数は増加しています
  2. 介護と仕事の両立は、身体的、精神的な負担を大きく、仕事への意欲を低下させ、離職につながる可能性があります
  3. ビジネスケアラーの生産性低下や離職による経済損失は、日本全体で約9兆円と試算されています
【2】 企業に求められる支援
企業に求められる支援
  1. 介護休暇や介護休業制度、時短勤務、リモートワークなど、仕事と介護の両立を支援する制度を導入することが重要です
  2. 制度の周知や、相談窓口の設置、専門家による相談など、従業員が安心して相談できる環境を整える必要があります
  3. 経営層や管理職の意識改革も必要です。介護支援に対する理解を深め、従業員の状況を把握し、適切なサポートを講じることが重要です
【3】 まとめ
仕事と介護の両立

ビジネスケアラーへの支援は、従業員のキャリア継続だけでなく、企業の人的資本経営や人材不足への対策としても重要です。企業は、制度整備、情報提供、そして従業員の状況把握と適切なサポートを通して、ビジネスケアラーの仕事と介護の両立を支援していく必要があります

2025年4月より「育児・介護休業法」改正 (厚生労働省)

4つの“介護に関する介護離職防止のための仕事と介護の両立支援制度の強化等”の実施

介護離職防止のための個別の周知・意向確認等
介護離職防止のための個別の周知・意向確認等 介護に直面した旨の申出をした従業員に対し、介護休業・介護両立支援制度等の個別周知と意向確認を行う必要があります。
また、従業員が介護に直面する前に、介護休業・介護両立支援制度等の理解を深めることができるよう、早い段階で介護休業・介護両立支援制度等について情報提供を行います。
介護離職防止のための雇用環境整備
介護離職防止のための雇用環境整備 介護両立支援制度を利用しやすくするため、一定の措置の中からひとつ以上の措置を講じる必要があります。
介護休暇を取得できる従業員の要件緩和
介護休暇を取得できる従業員の要件緩和 労使協定により介護休暇の適用除外にできる従業員の要件が緩和されます。
今後、適用除外にできるのは「週の所定労働日数が2日以下の従業員」のみとなります。
現在、継続雇用期間6か月未満の従業員を介護休暇の適用除外としている場合、就業規則等や労使協定の見直しが必要になります。
介護のためのテレワーク導入
介護のためのテレワーク導入 対象となる家族を介護する従業員に対し、介護のためのテレワークを選択できる措置を講じることが努力義務化されます。
内容や頻度など法令等上の定めはありません。業種・職種等により対象者を限定することも可能です。
この措置を導入する場合、就業規則等の見直しが必要になります。
仕事と介護の両立支援に関する経営者向けガイドライン」 (経済産業省)

仕事と介護の両立を巡る問題は、高齢化の進展に伴い、まさにこれからが本番となり、その解決には全ての企業の協力が必要となります。
一方で、介護両立支援の充実について企業経営上の優先順位が低いことが要因となり、企業内での取組が進まないという構造的な課題が存在し、その解決のためには経営者のコミットメントが不可欠です。

経済産業省「仕事と介護の両立支援に関する経営者向けガイドライン」
出典:経済産業省「仕事と介護の両立支援に関する経営者向けガイドライン」